〈エコ・クィーン〉の主原料である“珪藻土”について詳しくご紹介します。
単細胞の植物性プランクトン“珪藻”の化石です。
珪藻はこの地球上に最も早く誕生した原生生物の一つで、珊瑚※と共に「光合成」で大量の酸素を供給し、オゾン層を作り、人間をはじめ様々な生命の誕生を促したと言われています。そして現在でも地球上の約4分の1の酸素を供給していると言われています。
珪藻は5万種類とも10万種類とも言われる種類があり、空気中を絶えず浮遊し、海、川、湖など水と光がある所でどんどん繁殖します。水槽などにいつの間にか「藻」が繁殖するのもこの珪藻です。金魚などの餌になるため「水中の牧草」とも呼ばれています。
また、珪藻のユニークな点は無数の大小様々な、そして美しい模様の孔を持つガラス細工(珪酸質)の殻で包まれていることです。
※珊瑚…化石化すると「石灰石」になり、この石灰石から漆喰(しっくい)の原料となる消石灰ができます。
この珪藻の死骸が海底や湖底に堆積し、何百万年〜何千万年という年月を経て化石化し、珪藻の殻の部分が“珪藻土”という多孔質の土になります。
ちなみに、殻に包まれていた身の部分が“原油”になる珪藻もあります。
また、珪藻土は火に強いため七輪コンロ、耐火断熱レンガの原料として昔から使われてきました。
採掘した珪藻土を粉砕し乾燥させた粉末状のものが、様々な産業分野で使用されています。
「乾燥品」
採掘した珪藻土を粉砕し乾燥させたもの。不純物が含まれていて、細孔が目詰まりしています。なお、採掘された産地や地層により、含まれる不純物の成分や比重が異なります。(利用分野:珪カル板等の建材ほか)。
「焼成品」
上記、乾燥品を約800℃で焼いたもの。乾燥品に含まれる鉄・アルミニウム等の不純物によりサーモンピンク色に変色します。(利用分野:タイル、耐火断熱レンガ等)
「融剤添加焼成品(白色)」
良質の乾燥品に食塩とソーダ灰を加え、 約1,100℃で焼成し、目詰まりしている不純物を燃焼除去させた最高級品。食品添加物としても認められており、ろ過材として食品業界で大量に使用されています(ビールやお酒、醤油など)。色は白色。 〈エコ・クイーン〉はこの白色珪藻土をメインとして壁材を作っています。
約1,400℃で表面が溶け始め、約2000℃でガラスが溶けたような状態になります。
超微細・超多孔構造が大量の湿気を吸います。
珪藻土に水を吹きかけると瞬時に強く吸い込み、乾燥条件下では吸った湿気を放湿します。珪藻土を原料とした壁材を作る場合、この「吸・放湿性(呼吸性)」を十分に活かすことが重要です。
現在、珪藻土を産出している国は主にアメリカ、中国、そして日本です。国内の主な産地は、秋田、石川(能登半島)、岡山、大分です。
写真は秋田県鷹巣地区の珪藻土の山です。この山は今から約800万年前に海に繁殖した珪藻が死滅・堆積し、地上に隆起したものです。
珪藻が繁殖している時に、火山活動で火山灰が海中に降り、珪藻が死滅。その後珪藻が繁殖し、また火山活動・・・。この繰り返しが行われたため、火山灰がサンドイッチ状に含まれています。
秋田産の珪藻土と一口にいっても、天然資源ですので地層や山によって含まれる不純物や比重が異なります。他の産地においても同様で、「どこの珪藻土が一番良い」と簡単に比較することはできません。
壁材を作る際に重要なのは産地ではなく、「いかに細孔が不純物で目詰まりしていない珪藻土であるか」ということです。
【撮影協力】新築・注文住宅・店舗設計のbreath house様(群馬県高崎市三ッ寺町1231) ブレスハウス様のモデルハウスでエコ・クイーンの壁をご覧いただけます。
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